アクリルガッシュというとあまりなじみがないかもしれませんが、塗装や絵画に使われるごく一般的な塗料です。
塗料というより、絵の具といったほうが感覚的には近いでしょう。
普通の絵の具感覚で使える便利なアクリルガッシュ
アクリルガッシュは鮮やかで濃い色が多く、プラモデルやフィギュアの塗装、POP、アクリル画などに使用されます。
名前の通りアクリル系の樹脂塗料で、ガッシュというのは不透明であることをいいます。
不透明というのは、ただ単に透明感がないというだけでなく、ある程度厚みを持って塗った際に、下の色が透けて見えない状態を指します。
絵の具のような使い方で非常に扱いやすいのですが、一般的な絵具と違うところは乾いた後の耐水性と樹脂被膜による丈夫さ、ペンキ等の塗料と違うところは速乾性に優れる点です。
アクリルガッシュの使い方は非常に簡単で、絵の具のように水で溶いて使います。
一般的に溶剤は必要ありません。
塗装に使う際は大抵の場合、下の色が透けて見えないようにしたいことが多いため、色を明るくする際は水で薄めるのではなく、白を混ぜて色味を調整します。
色の定着性と乾いた後の被膜の強靭性は、メーカーによって多少差異があります。
色の定着が悪い場合は、下地材を塗って乾かしてから塗装を始めたほうが良いでしょう。
アクリルガッシュは乾くと耐水性となり、表面にアクリルの被膜ができるために水濡れに強くなります。
反面、一度乾いてしまうと塗装が取れにくいため、作業中の衣服や家具への付着や、使用後の筆やパレットなどの洗浄には注意が必要で、不用意な付着をしてしまった場合は濡れているうちに対処しましょう。
一般的な塗料と比べて速乾性に優れるため、ふき取るのは早めの対処が必要となります。
アクリルガッシュの向き・不向きと使い方
アクリルガッシュは非常に使いやすい塗料ですが、多少の向き不向きがあります。
一般的な水彩絵具と比べて、多くのものを塗装したり描画したりすることが可能ですが、メーカーによっては素材への定着性に多少の差があります。
紙や木材へはどのメーカーのものも問題なく塗装できます。
ビニールや樹脂系への塗装はメーカーによって差があり、基本的にはどのメーカーも綺麗に塗装自体はできるのですが、乾燥後に引っかいたり擦ったりすると剥がれてしまうものもあります。
このような場合は、塗装前に下地材・定着剤を塗ってから使用すると良いでしょう。
あるいは、乾いてから被膜剤を使うか、透明の塗装をしても良いでしょう。
ガラスや金属については、基本的に定着剤を使用したほうが無難です。
アクリルガッシュは一般的な絵具と違い、色の成分が塗装面に入り込んでいくのではなく、表面に色の付いた被膜を作ることで色が定着します。
そのため、塗装が剥がれてしまうような環境や状況には注意が必要です。
また、濃く鮮やかな色が多いのが特徴ですが、透明水彩絵具と違って注意する点は、混色すると色が褐色系に濁る場合が多いということです。
これは白を混色した場合にも起こるので注意が必要です。
販売されている色数は多いので、混色するよりは、目的の色のガッシュを購入したほうが良いでしょう。
一般的によく使われるアクリルガッシュは、リキテックスとターナーです。
リキテックスは被膜が丈夫で艶があり、ターナーは若干マットで中間色や和風カラー、パール系までもあって非常に色数が豊富です。
意外な使い方も?あると便利なアクリルガッシュ
アクリルガッシュは今でこそ、プラモデルやフィギュアの塗料として知名度も上がってきましたが、それ以前はアクリル画に良く使われていました。
現在ではその手軽さと便利さから、フィギュア以外の塗装にも使われるようになってきました。
例えば、ちょっとしたDIYの塗装でわざわざペンキやラッカーを使う必要もなく、水で溶いて使う手軽さからアクリルガッシュは非常に好まれています。
特に一般的な他の塗料と比べるとその速乾性は優れており、短時間乾かしてすぐに重ね塗りに入れるので、時間の節約にもなります。
乾くと耐水性になりますが、溶く際は水溶性なので、実はほんの少し他の水性塗料を混ぜることができます。
このため、白のガッシュに水溶性のウォールナットやエボニーの塗料を隠し味のように入れることによって、不自然に白い塗装ではなく、ナチュラルな風合いのある色を作ることができます。
ガッシュは不透明であるので、塗装の下地として使うこともできます。
例えば、木に塗ればその木目を隠すことも可能で、さらに被膜と艶が出るので、塗り方次第ではプラスチックのように見せることも可能です。
乾くと耐水性になる点は、多少の水ハネの心配がある洗面所等のDIYやペイント、グラフィックにも適しています。
この耐水性はアクリル系の樹脂被膜ができることで得られるもので、この特性を利用して、他の塗装の上に薄くアクリルガッシュを塗装することで下の塗装面を保護することもできます。
プラモデルなどを塗ることを考えると、どうしても色の鮮やかなものを揃えたくなりますが、家庭内でも便利なので、ブラウン系なども一通りそろえておくと重宝すること間違いなしです。
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