クラブミュージックとは、その名のとおり、クラブで流される音楽ジャンルのことを指します。
クラブで流される音楽は、DJがレコードやCDの音源をミックスさせて作り出されるものです。
進化していくクラブミュージック
クラブミュージックの先駆け、テクノ
テクノミュージックの先駆的アーティストは、国内でいえばYMOと言えるでしょう。
YMOが活動していた頃は、クラブミュージックというジャンルが世の中に浸透していなかった時代です。
YMOが登場して十数年の月日を経て、テクノミュージックのアーティストであるケン・イシイが登場します。
ケン・イシイは、クラブでDJをしながら、音楽制作も精力的に行っていました。
そして、発表したアルバム『ジェリートーンズ』が世界的なヒット作となり、テクノミュージックが世間に知れ渡るようになったのです。
それから、テクノミュージックの第一人者として、ケン・イシイは活動を行うことになります。
ケン・イシイによるテクノミュージックに衝撃を受けた人たちは数多く、その中にはクラブミュージックに興味が無かった人も多数含まれていました。
それらの人たちにクラブミュージックを注目させるようにしたケン・イシイの功績は計り知れないものがあります。
それから、クラブに通う人が増えていき、クラブミュージックは活性していくこととなります。
そして、クラブミュージシャンを目指すアーティストも増えていったのです。
そのような相乗効果により、クラブはより一層活気のある場所になっていき、クラブミュージックも多様な音楽性を持つジャンルへと変化していったのです。
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テクノからドラムンベースへ
ケン・イシイを代表とするアーティストによるテクノミュージックが全盛を迎えた頃、クラブミュージックは多様な方向性を持つことになります。
テクノミュージックから、よりメロディアスなハウスミュージックが誕生し、そして、ドラムンベースというジャンルが登場しました。
ドラムンベースは、その名のとおりドラムとベースを強調したリズミカルな音楽です。
そのドラムンベースの代表的アーティストがロニ・サイズです。
ロニ・サイズ・レプラゼントというユニットを結成し、ボーカルを取り入れた新しい形のドラムンベースミュージックを提案しました。
メロディアスでボーカルが入ったドラムンベースミュージックは、瞬く間に世界の人を虜にしました。
それだけ、音楽としての完成度が高く、また、今まで聴いたことがなかったような音源であったと言うことが出来るでしょう。
テクノミュージックのようなリズミカルなテンポがありながら、メロディーもしっかりと備わっているため、テクノミュージックのファンの人のみならず、これまでクラブミュージックを聴いたことが無いような人たちでさえ虜にしたのです。
この点に関しては、ケン・イシイもロニ・サイズも共通している部分と言えます。
また、ドラムンベースは多くのアーティストに影響を与えました。
ロックミュージックやポップミュージックを、ドラムンベース調にミックスするといったことが頻繁に行われていきました。
そのようにして、クラブミュージックを普段聴かない人にも、ドラムンベースが浸透していったのです。
そして、クラブミュージックはさらに広がりを見せていきます。
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クロスオーバーミュージックから現在へ
ドラムンベースが流行している間に、クラブミュージックは新たなジャンルを切り開いていくことになります。
それが、クロスオーバーと呼ばれるジャンルです。
クロスオーバーミュージックは、基本となる音源はジャズであったり、ブラジリアンミュージックであったり、ボサノバであったり、映画音楽であったりします。
それらの音源を独自にミックスさせたものがクロスオーバーミュージックです。
そのクロスオーバーミュージックの先駆的なアーティストが、ユナイテッド・フューチャー・オーガニゼイション(UFO)です。
最初はジャズのクロスオーバーからスタートしまし、ジャズファンをクラブミュージックの世界へと誘ったのです。
そして、爆発的な人気が出て、クロスオーバーをジャズで実践するアーティストが一気に増えました。
それから、ジャズのみならず、映画音楽やボサノバ等の音楽をクロスオーバーミュージックとして取り込みました。
それにより、映画音楽を聴いていた人やボサノバのファンの人たちからも注目されるようになり、クラブミュージックはますます盛り上がりを見せるようになったのです。
あらゆるジャンルのファンをクラブミュージックに取り込んだことは、大きな功績と言えるでしょう。
最後に
このように、クラブミュージックは段階的に進化を遂げています。
その段階ごとにクラブミュージックのファンが増えていっていることは確かです。
そのきっかけを作ったアーティストたちの功績は大きいと言えるでしょう。
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