地球環境を守る資格:ビオトープ管理士

ビオトープというのは、ドイツ語で生物の「Bio」と空間を意味する「Top」を組み合わせた言葉で、野生生物が生息・生活する空間を意味しています。

そのビオトープを管理するビオトープ管理士という資格を、現在世界が置かれている現状と共に紹介していきます。

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地球における環境問題

環境問題を大きく分けると、ごみ問題と生物の絶滅の問題の2つに分けられます。

ごみは人間が生活するうえで排出する、自然のサイクルの中で処理できない不要なもの全てを指します。

生活ごみだけでなく、車の排気ガスやPM2.5などの目に見えないゴミも含まれています。

また、処理が不十分なごみは地面や海や川へ流れだし汚染してしまいます。

ごみ問題は土、水、空気という生物の生存にとってなくてはならないものを汚染し、利用できなくしているのです。

生物の絶滅問題では、乱獲や密猟のほかに外来生物による在来生物への影響、気候変動や開発による野生生物の生息地の減少などが原因で、地球上の多くの種の野生生物が絶滅または絶滅の危機に瀕しています。

地球上の生物の50~90%が生息すと言われる熱帯雨林では、生息域の減少により1日に約74種もの生物が絶滅しているとまで言われています。

時代の環境に対応するために進化してきた生物にとって、種の減少、個体数の減少によって生物的多様性、遺伝的多様性が失われるということは、刻一刻と変化する環境への対応力が失われることにもつながっています。

環境問題を解決することはこの2つの問題を解決することであり、未来の地球に生きる生物のために迅速に取り組まなけらばならないことなのです。

世界と日本の環境問題への取組み

ドイツやスウェーデンなど環境先進国と呼ばれる国は、早くから環境問題を重く受け止め法整備を開始するなど、ビオトープの保全や再生事業に力を入れてきました。

例えばスウェーデンでは環境に関する法律や税金が進んでおり、ごみをリサイクルするとお金が戻ってくるなどのインセンティブも充実しています。

このような政策を取っている国は国民一人一人が環境へ対する意識を高く持ち、エコなライフスタイルに努めています。

一方日本では、高度経済成長やバブル経済で産業が盛んとなり、環境問題は二の次に置かれていました。

しかし経済成長とともに環境破壊が進み、事態を重く見た国がようやく環境への取組みがスタートしました。

ここで日本が参考にしたのが、ドイツのビオトープ事業でした。

しかし、日本はビオトープについての実績も知識もなかったため、どのように事業を進めていくかが問題となりました。

そこでビオトープに関する土地利用や施工管理、生態学的知識や環境の評価などの知識を身に付けたビオトープの担い手を育てるべく、ビオトープ管理士という資格制度が創設されました。

ビオトープ管理士の仕事とは

ビオトープ管理士の役割は、簡単に言えばビオトープを増やし管理することです。

しかし、管理の範囲は非常に多岐にわたります。

ただ事業を管理するだけではなく、ビオトープとしてその土地が利用されるよう計画を立てることに始まり、土木・造園の施工技術、生態学的な知識、ビオトープの評価能力、そしてビオトープに関連する法制度に関する知識も持っていなければなりません。

ビオトープ事業に着手したとしても、間違った知識や認識で施工を行った場合、逆に環境に悪影響を及ぼしてしまうことにもなりかねません。

ビオトープ管理士はその事業がビオトープの概念に沿うよう計画を立て、施工・管理していかなければなりません。

近年では官公庁などの事業において、1級ビオトープ管理士が在籍していないと入札への参加が認められない案件も多く、ビオトープ管理士の重要性が高まっています。

また事業の管理だけではなく、ネイチャーガイドのような環境教育の指導者として受講者がより環境を身近に感じ、より関心を持てるように自身の持つ知識や技術を広めていくという役割も担っています。

ビオトープ管理士の資格を取るには

ビオトープ管理士の資格には2種類に分類されています。

まずビオトープ事業をする上で、その地域の自然環境の保護や野生生物調査等を踏まえた上で都市計画や農村計画のような地域計画を行うプランナーとしての「ビオトープ計画管理士」。

そして、その地域の自然環境の保護や野生生物調査等を踏まえた上で設計や施工に従事する現場技術者としての「ビオトープ施工管理士」です。

さらにその2種類の分類中でも、さらに2級と1級に分かれています。

2級は受験資格がなく、誰でも受験できる試験で、ビオトープについての基礎的な知識について問われます。

1級は経験豊富な事業責任者レベルで、受験資格が設けられており、一定年数以上の実務経験が必要となっています。

ただ、実務といっても業務を通してだけではなく、環境NGOの活動や野生生物の調査、自然環境の保護にかかわる活動なども実務として認められているので、ビオトープ事業に携わる企業にいないからと言って1級を受験できないというわけではありません。

最後に

これまで人間が生活するうえで破壊してきた地球の自然環境を、今度は私たち人間の力で保護・再生させなくてはなりません。
ビオトープ管理士の試験を受けなかったとしても、一人一人が環境保護に関心を向け、生活していかなければなりません。

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