求人の広告やサイトでよく目にする、「貿易事務」の文字。
なんとなくふつうの事務より時給も高いし、世界を相手にしていてカッコいいけど、今一つ仕事内容はピンと来ない。
そんな貿易事務のお仕事について、具体的に見ていきましょう。
貿易事務とは、その業務内容
貿易事務は、その名の通り貿易、つまり輸出入を行う企業・部門においての、事務全般のことを指します。
大企業であれば、貿易部門といってもその規模が大きいため、そこの事務職全員が特別な仕事をするわけではなく、普通の事務職と変わらない仕事内容の人もいます。
とはいえ、大半の企業では、やはり輸出入に関わる仕事を割り振られるでしょう。
仕事は多岐にわたりますが、基本的には商品の輸出入に関する書類作成や、相手方との電話・メール連絡が主となります。
扱う言語は英語がメインですが、相手国によっては中国語やポルトガル語などが必要となりますし、日本はもちろん相手国の輸出入、関税、検疫等の申請や仕組み、関連法の知識も求められる、非常に専門性の高い事務職です。
資格や業界経験○年といった項目は必須ではありませんが、未経験者にとっては覚えることも多く、ややハードルの高い仕事です。
とはいえ、研修制度がしっかりしていれば、経験と知識を身に着けて、キャリアアップをはかれる仕事でもあります。
語学に自信があったり、主な取引国となる国に滞在経験があったりすれば有利であるため、そういったものを持った人にはおすすめできます。
やはりポイントになるのは語学力
やはり細かい連絡メール、電話対応、相手国への申請書類作成など、事務仕事ながら語学力が必要となる仕事内容です。
ただ、必ずしも「ペラペラ」でないと働けないわけではありません。急を要する場合を除けば、基本的には書面やメールのやり取りですので、「スピーキング・リスニング」よりも「ライティング・リーディング」の能力が、重要となります。
特に重要書面の読み書きに誤解があると、致命的ですから、文法の能力というのがとても大事です。
この点、長い留学や滞在経験で「何となく身につけて」しゃべれる人よりも、会話は苦手ながら文法を「きちんと勉強して身につけた」人の方が、向いているといえるでしょう。
もちろん会話力も必要とはされますので、前者であれば、足りない文法力を学んで補えばいいだけです。
扱う商品や、申請の際の法律用語などは、仕事をしていくうえである程度決まった言葉しか出てこないため、「単語力に不安がある」という人も心配は要りません。
文法は、ビジネス用でも構いませんし、大学受験用の教材でも勉強することが出来ます。
不安な人は、学生時代のテキストをやり直してみると良いでしょう。
輸出入の法律や申請形式を知ることも必要
語学力がないと厳しい貿易事務の仕事ですが、もう一つ必要なのが輸出入に関する知識です。
国内の売買であれば不要な、さまざまの手続きの隅々まで熟知していないと、スムーズな取引が困難になります。
とくに輸出業を主としている場合、船便なら到着まで何か月もかかります。その手続き(通関など)に、不備があって発送できないとなれば、スケジュールが大変なことになってしまいます。
型通りの手続きだけでなく、イレギュラーな事態にもきちんと対応できるよう、周辺の法律や事例についてよく知っておく必要があります。
また、決済のための外国為替や相手国の景気・物価など、素人にはハードルの高い経済関係の知識も要るでしょう。
無論、それぞれ「法律」「会計」等のエキスパートは、各企業分担して存在しており、一人ですべてに精通する必要はありませんが、全く知らないというわけにもいきません。
少しずつで良いので、学び続けるという姿勢が取れる人であれば、この仕事はいくらでも専門性を身につけられますので、新しいことを知りたい、学びたいという人にはおすすめの仕事です。
未経験でもできるけれど
先述のように、学ぶ気があれば、未経験でも貿易事務の仕事はやっていけます。
とはいえ実務経験や、資格があれば最初から優遇してもらえますので、未経験のうちは一つ資格を取っておくのが良いでしょう。
語学であればTOEIC、英検などの高得点や高い級を。
また、「通関士資格」も有効ですし、その名の通り「貿易実務検定」を持っていれば、ちゃんと学ぶ気があるというアピールになります。
最初から難しいものは狙わず、自分の手の届く資格からチャレンジしてみましょう。
これは、語学を学ぶ際にもそうですが、主要取引相手国の文化や宗教などについて学び、理解してリスペクトする姿勢も重要です。
イスラム教の方との会食は、戒律について何も知らない状態で行うわけにはいきませんし、日本では問題にならなくても、国ごとに「やってはいけない行動」「言ってはいけない言葉」なども、存在します。
商習慣や商道徳、倫理観の相違もあるはずですから、そのあたりをしっかり理解したうえで、相手と接するおおらかさ、いわば国際人感覚が求められる仕事と言っていいでしょう。
最後に
単なる入力作業や電話応対以上のものを、いくつも求められる、見方によってはハードな貿易事務の仕事。
でも裏を返せば、成長の余地が非常に大きい仕事とも言えます。
「事務仕事が好きで、でも専門性も欲しい」という方にピッタリのお仕事ですので、気になった方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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