フィギュアスケートの基礎知識:スケーティングの基本について

スケーティングにはトゥを使うことがありません
近年、フィーバーともいえるほど人気の高いフィギュアスケート。

自分もスケートリンクに行って、スター選手の真似をしようとされた方も多いのではないでしょうか。素人だから、ジャンプやスピンが出来ないのは当然としても、手すりに頼らなくて済む程度にスケートは得意なのに、どうしても選手のような「垢ぬけた」スケーティングができないのはなぜなのでしょうか。

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フィギュアスケートの基礎知識

スケーティングにはトゥを使わない

それは、素人がトゥを使いがちなのに対し、フィギュアスケートでは、スケーティングにトゥを全く使わないからです。フィギュアスケートの基礎知識の第1ですね。

スケートの靴には、金属製の刃がついています。
そのつま先(トゥ)の先端は、ギザギザになっています。このギザギザは、ジャンプを跳ぶのにつかいますが、それ以外の滑りの部分では使いません。

素人はつい、このトゥで氷を蹴ってスピードを出そうとします。しかし、フィギュアスケートの選手たちは、滑っている方の足に体重を乗せることでスピードを出しています。

初心者が習う場合には、足先をそれぞれ斜め45度開いて立ち、トゥをひっかけずに、よちよち「ペンギン歩き」から始めます。
スケート靴の氷に接している部分を「エッジ」と呼びますが、このエッジ全体で氷を押す感覚が大事です。

これを素人向けのただの基礎知識とあなどってはいけません。
あの浅田真央選手が、ジャンプの大改造に取り組んでいた時期、その練習風景がテレビで放映されました。

この時、佐藤コーチが頻繁に「押して、押して」と声を掛けていました。スケーティングの練習は地味で単調なものですが、世界女王といえども、この基礎を怠ることなく研鑽をつんでいるのです。

クロススケーティングが大事

フィギュアスケートでは、直線で移動することがありません。

これも重要な基礎知識です。必ず曲線の軌道でプログラムを演じるのです。
ある種のジャンプを跳ぶ直前に、リンクを直線的に横切ることはありますが、半径がとても大きな円弧であったり、逆方向のカーブを組み合わせたステップだったりします。

こういう曲線を滑るときに使われる動作が、クロススケーティングです。その名の通り、足を交差させて進みます。スピードスケートでも、カーブを同じ動きで曲がります。

スピードスケートにないのが、後方に進むバッククロスです。
フィギュアスケートでは、体重をエッジにのせて進むのが基本です。バッククロスでは、椅子に腰掛ける要領で体重をかけ、後ろに進みます。

初心者なら「ひょうたんバック」から習い始めるでしょう。これは両足の踵を、斜め45度に開き、ゆっくり「椅子に腰かけるように」体重を掛けます。

すると足が開きますので、そこで立ち上がることで足を狭めます。慣れてくると、片足ずつ円弧を描きながら、後ろに進みます。これは前方向=フォアに進む場合も、同様の練習をします。

片足ずつ円弧を描くことになれてきたら、波状に滑ることを覚え、徐々に足を交差させる動きへ移行します。

この時には、腰を上下しないように指導されるでしょう。

実際、テレビで観戦するような選手でヒョコヒョコ腰が上下する人はいませんよね。腰をじっくり落として、もっちりと吸い付くように進むのが、美しく質の高い滑りであるとされています。

でも、この最中はずっと「空気椅子」状態が続くことになりますね。フィギュアスケートが、華麗に見えてとてもハードなスポーツである理由の一つです。

優美で雄大な動きが鑑賞のポイント

ある程度スケーティングの基礎が身に付いたら、今度は一蹴りで長くエッジにのってみるように指導されるでしょう。

習い始めて1年くらいで、スケートリンクの短い方の端から端まで一蹴りで届きます。もちろん選手クラスなら、長い方の端から端までを一蹴りで済ませるなんて朝飯前。

これは、正しく効率的にエッジに体重が乗せられているということです。ですから、一蹴り一蹴りの距離が長いほど、質の高いスケーティングであるというのが基礎知識です。

このような質の高いスケーティングをする選手の場合、同じ距離を移動するのでも、氷を掻くための動作が少なくて済みます。素人がセカセカ、ガリガリ動いてしまうのにたいし、ゆったりと大きく、エレガントな動きになります。

ソチオリンピックでは、カロリーナ・コストナー選手が長身を活かし、まるで大鷲が宙を滑空するかのようなスケールの大きな美しい滑りを見せてくれました。

基礎のスケーティングの質の良さは、重要な得点源です。ジャンプなどと違って、失敗するということがないので、これが安定して上手い選手は、得点が大崩れすることがありません。

テレビで放映されるような大会で、他の選手にジャンプミスが相次いだ場合、それほど大技を持っていない選手が上位にくることがあります。

「どうしてこの選手の評価が高いのだろう」と採点に疑問を持ったときには、今まで書いてきた基礎知識を思い出してみて下さい。

基礎の滑りで、高い評価を受けているのかもしれません。
そして、この基礎の滑りのクォリティが高い選手は、古参のフィギュアスケートファンに愛される「通好み」の選手なのです。

基礎の滑りの基礎知識で得点解説ができれば、あなたも立派なフィギュアスケート通です。

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