ゲーミングPCは、高度な演算処理が必要となる、ゲームに特化したハイスペックなPCのことを指します。
ここでは、ソフトウェアメーカーが公開している、必須スペックを満たしているのはもちろんのこと、より快適にプレイするために、ゲーミングPCの選び方について、考察していきます。
心臓部であるCPUがパフォーマンスを決める
まず、重要となるのが、ゲーミングPCの性能の大方が決定するCPUの選定です。
他のパーツに、いくら優れた性能のパーツを用意しても、CPUの能力が低ければ、全体のパフォーマンスが低下し、ゲームだけではなく、普段の利用にも支障を来たしてしまいます。
特に、CPUは、簡単に交換するわけには行かないため、はじめからしっかりとしたモデルを選ぶことが重要です。
快適にプレイするためには、ソフトウェアが要求するコア数、動作クロックを満たしていることが、最低限必要となります。
さらに、多くのゲームソフトでは、発売後に新機能が追加されたり、拡張パックが発売されることがあれば、要求されるスペックが上昇することがあります。
その度に、CPUを交換するのは非現実的であるため、はじめから余裕を持ったスペックの環境を用意しておくことが大切です。
もうひとつは、CPUの持つ、独自の命令セットや機能の問題です。
現在、CPUの多くは、IntelとAMDの2強となっていますが、一部のアプリケーションでは、IntelのSSE命令、ハイパースレッディング、AMDの3D Now、Micro-OPなど、それぞれのCPUが持つ独自の命令や機能に特化することで、より高度な演算処理を目指しているものがあります。
プレイしたいゲームソフトが要求するCPUを用意することで、より高いパフォーマンスを発揮することができます。
VGAによっては最悪起動しないことも
多くのゲームソフトは、起動時に自動的にハードウェアが検出され、適切なグラフィック設定が行われますが、対応していないVGAの場合は、そもそもの起動ができず、プレイ不可能となることがあります。
CPUの場合は、スペックを満たして無くても、遅くなることを我慢さえすれば、動作することは不可能ではありません。
しかし、グラフィック表示を司るVGAは、表示できるポリゴン数や、テクスチャを管理するグラフィックメモリに限界があり、不足することがあれば、機能することができないため、ゲームソフトが要求するVGAは、必須となります。
ゲームソフトの多くは、グラフィック設定により、グラフィックを粗くすることで、スペックの低いVGAにも対応することが可能ですが、そのソフトウェアが持つ、本来の美しいグラフィックを楽しむためには、必須スペックを満たし
たVGAを用意したいところです。
こちらも、前述のCPU同様、余裕を持ったスペックを持ったモデルを選びたいところですが、VGAの場合は、容易に交換が可能なため、後からアップグレードするという選択肢もあります。
ストレージがパフォーマンスを決める時代へ
優れたパフォーマンスを発揮するためには、基本的なハードウェア性能はもちろんのこと、データの読み込み速度が重要となっています。
OSとは、本来、ディスクオペレーティングシステムの略で、システムは常にディスクへのアクセスを行うため、ストレージの性能が、全体の快適さを左右し、ストレージの性能によっては、ボトルネックにもなり兼ねません。
現在では、省電力、無音でありながらも、高速な読み書きが可能なSSDが全盛です。
SATA3規格のHDDの伝送速度の実測値は、ベストな条件が整った環境でも、せいぜい最大150Mbps程度ですが、SSDであれば、安価な製品であっても、300Mbpsから500Mbps、NVMe規格の最高クラスの製品であれば、2.5Gbpsを超えるようモデルも登場しています。
一部のゲームソフトでは、必須スペックにSSDをあげているタイトルも、徐々に増えている傾向にあり、将来を考えても、より高いパフォーマンスが求められるゲーミングPCのストレージは、SSD一択で、間違いありません。
しっかりとした冷却システム
せっかくの高性能のゲーミングPCがそこにあったとしても、冷却がしっかり行われなくては、故障の原因となるばかりではなく、最大のパフォーマンスを発揮することができません。
パソコンのパーツに搭載されているプロセッサには、耐性温度があり、それを上回ることがないように、温度センサーが一定の発熱を検知すると、パフォーマンスを下げながら、温度を下げようとするサーマルスロットルリングが発生します。
この状態を少しでも避けることで、ゲーミングPCであれば、ゲームを快適にプレイできる時間が長くなり、特に瞬時の判断が求められるタイトルには、重要な要素となります。
もうひとつは、音の問題です。
もっとも安価な冷却システムは、冷却ファンによって、外部から取り込んだフレッシュエアーを、プロセッサに設置されたヒートシンクに当てる方法ですが、モーター音や、風切り音が発生します。
ゲームのタイトルによっては、音によって判断するものもあり、冷却ファンの騒音が気になってしまうことも少なくありません。
それを解決する方法のひとつに、水冷システムの導入があります。
ゲーミングPCの内部に、冷却液を循環させることで、より効果的に冷却できるだけではなく、冷却ファンの駆動を最小限にすることで、騒音を抑えることも可能です。
最後に
ゲーミングPCは、一般的な用途のPCと違い、ゲームのプレイ中は、常に高パフォーマンスを維持し続けることが必要です。
それを実現するための選び方は、すべてのカテゴリーに最高のパーツを使用した、総合的なスペックが求められます。