当時、図書室で簡単な本を借りることが日課だった高校生の私は、大変興味深い本を見つけたことがあります。
手に取った瞬間、わくわくとした感情が起き上がったことを今でもよく覚えています。
カラフルでこまごまとしたおもちゃの表紙から中のページへ、中には表紙に載っている以上のたくさんのおもちゃの写真が載っていました。
どこか懐かしいおもちゃたちの写真は、私の目にも見おぼえがありました。
表紙に戻って題名をしっかり確認しました。
この回顧感あふれる本の名前は「グリコのおもちゃ図鑑」。
そうです、みなさんご存じの江崎グリコの商品、グリコキャラメルについているお菓子のおまけの図鑑だったのです。
その本の中はまるで子供たちの宝箱でした。
長い歴史があるグリコ
グリコの看板をご存じでしょうか。
大阪の道頓堀に飾られている大きな看板で、印象的なゴールインのイラストが描かれています。
大阪の象徴となっているそれは、実は大変長い歴史を持っています。
いまや国民的商品を数々生み出してきた江崎グリコは1929年の2月に設立されました。
(設立以前にもすでに組織はできており、グリコの発売もすでに始まっていました)
主に食料品を扱っており、現代でもたくさんの人に親しまれています。
例えば、ポッキーや、プリッツ、カプリコ、アーモンドチョコレートなどを開発しています。
どれも皆さんが一度は口にしたことがある商品ではないでしょうか。
大ヒット商品が多い江崎グリコですが、それらの中でも会社の名前を聞いて一番にパッと思いつく商品があります。
ロングセラーのキャラメルです。
もうわかりますね。グリコです。
ロングセラーのお菓子グリコ
江崎グリコがグリコを発売し始めたのは1922年2月11日で、この日は「江崎グリコ創立記念日」だそうです。
この時は、まだおまけのおもちゃは付いていなく、お菓子のキャラメルのみを売っていました。
しかし、その5年後、お菓子のおまけつきグリコが発売されました。
今の私たちが、普段見慣れているカタチのものですね。
実は、これが日本で一番最初の食玩です。
食玩の内容は時代によって様々
この食玩の内容が1922年から現代までで大きく異なっていることをご存知でしょうか。
最初に紹介した「グリコのおもちゃ図鑑」(著・森永卓郎)では、グリコのおまけが登場した年代順に紹介されています。
そこからは、その当時のブームを知ることができ、大変興味深く面白いです。
また、その時代の背景も映し出されています。
例えば、戦争前のグリコのおまけは戦争を促す内容のものが登場しました。
そして戦後、日本の経済が急激に成長していくのに伴い、グリコのおまけはカラフルなものに生まれ変わりました。
このように、これらのおまけは日本の歴史を物語っており、貴重な歴史資料にも為りえるのです。
上述したように、グリコのおまけは一定の種類ではなく、様々なバージョンが展開されています。
そのため、一概にグリコのおもちゃを想像してくださいと言われても、世代によって想像するものが異なるかもしれませんね。
ちなみに、私はグリコのおもちゃと言えば、カラフルなプラスチックでできた自転車や絵本が思い浮かびます。
また、私が「グリコのおもちゃ図鑑」を読んで欲しいと思ったのは、ミニチュアの生活用品です。
女の子向けで、一式そろえればお人形遊びなどができそうなおまけで、豪華だと思いました。
このおまけを手に入れることができた時代に生まれた人が羨ましいです。
女の子向けと言えば、現在は無くなりましたが、過去のおまけは、女の子用と男の子用と箱に書かれており、そのおまけの内容も異なるものでした。
男の子のおもちゃにはロボットや車、女の子のおもちゃにはミニチュアの生活用品(家事用品)などが入れられていました。
当時は男の子はブルー、女の子はピンクと言ったような固定観念が根強かった社会だったことがここからも読み取ることができます。
そして、現在のグリコでは男女共通のおまけがついていることから、社会がジェンダー問題に前向きに取り組み始めていることがわかります。
グリコのおまけの魅力
グリコのおもちゃには2通りの楽しさがあると思います。
1つ目は、箱を開ける時のわくわく感。
子供の時は何が当たっても嬉しいもので、友達と当たったものを比べあったりする楽しさがありました。
2つ目は、私たちが大人になった時、当時のおまけのおもちゃを懐かしいと思う瞬間です。
グリコのおまけは時代と共に変化し続けています。
今の子供たちが買ったグリコについているおまけと、当時私たちが買ったグリコについていたおまけは、また違うものだと思います。
しかし、いつの時代になっても、おまけのどこか懐かしい作りは変わらないしょう。
未来のグリコのおまけがどのようなものに移り変わっていくのか、とても楽しみにしています。
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