茶道の流派はたくさんありますが、共通しているのは、お茶を点ててお客様に出す作法を学ぶことです。
お茶のたて方には、道具の持ち方、運び方、畳の上での歩き方、点てる順序など、たくさんのスキルがあります。
すべて、おいしいお茶を点てて、お客様に喜んでいただくという目的に応じた細かいスキルです。
女性にとって、おもてなしをする心をもつことは好感がもたれ、女子力を高めることにつながります。
茶道で作法を学び女子力を高める
相手をもてなすために、茶杓やお茶碗をもつ指をきれいに見せる美しさが要求されます。
立ち居振る舞いも、すっと立って美しく座るためには、丹田を意識して腰骨を立てることが大切です。
お客様になったときも、和服の裾がさばけないように美しい正座をするためには、鍛錬が必要になります。
茶室の中でのお作法を学ぶことで、姿勢も意識できます。
お茶会では、礼をする場面がよくあります。
お辞儀の作法も流儀がありますが、手の指を揃えることや深いお辞儀、軽い会釈などのバリエーションを学ぶことは、日常生活でも役に立ちます。
動作もゆっくりするために、自分の呼吸をコントロールして落ち着いた所作を表現できるようにしていきます。
お抹茶をいただく時には、お菓子を先に食べます。
懐紙という和紙にのせたお菓子の持ち方や、口への入れ方を学ぶことで、女性らしい仕草が身についていきます。
お客様にも順序があります。
順序によって座る場所が違います。
一番重要なポジションになる正客になると、もてなす側の亭主とのやりとりもあるので、茶道の知識も必要になります。
茶道で日本の和文化を学び女子力を高める
茶室には、床の間にお茶の花と掛け軸を飾ります。
茶花は派手なアレンジではなく、季節の花を活けます。
こだわりの花入れや掛け軸については、お茶のお点前の中で亭主と客のやりとりの中で作者を聞いたり紹介したりします。
小さな空間の茶室をいかに演出するかは、亭主の力量にかかっています。
また、趣向を楽しむこともお茶会の醍醐味です。
自然を敬い、季節の移り変わりを花や掛け軸、お菓子で表現することは、和文化の芸術です。
和文化は、見える美しさに、見えない心を大切にする文化です。
お客様をもてなすためにプランを練り、道具にこだわり、季節感を茶室にさりげなく取り入れることは、五感をフルに研ぎ澄まして味わっていく楽しさにつながります。
和服を着ることも多い茶道ですが、しとやかな女性らしさを醸し出す和服を選んだり、和柄の懐紙入れを選んだりするときも、ひとつひとつに日本の人たちが大切にしてきた意味があり、文化が培われてきたことを再発見することができます。
畳に正座をしてお茶をいただくだけでなく、椅子に座ってお茶を点てたり、いただいたりする現代風なお点前もあり、気軽に和文化を楽しむことができます。
茶室の茅葺屋根や縁側、庭の敷石にも和の心が息づいています。
観光地で公開されている茶室は、一つの部屋の中に春夏秋冬を取り入れたり、自然の月や風を計算したりして造られた物がたくさんあります。
たとえば、茶室の天井に川に映った月が映るようになっていたり、春の桜、冬の雪を表現する小窓の模様になっていたりと、茶人の遊び心が魅力的な茶室として現存しています。
茶道で一期一会を学び女子力を高める
一期一会とは茶道に由来する言葉です。
一生に一度会う人と思い、誠心誠意、亭主もお客も尽くすという心構えを意味しています。
今この瞬間、この場所を大切にしていく心は集中力を高めます。
二度と会うことがないかもしれない相手に真剣に向き合う姿勢を大切にすることで、凝縮した時間が輝きます。
千利休は茶事の進行に火の強さ、湯の煮え加減が相応することを大切にしました。
丁度良い火の強さになるには、炭の選び方、炭をどのように置くか、いつから準備をするかという段取りが重要です。
大切なお役様に一番よいタイミングでお茶をさしあげるには、時間、空間の調整をする力量が必要です。
さらに千利休は、自然な茶事の進行には亭主と客の呼吸の調和が大切だと伝えています。
日本では、茶室はお殿様や偉い人が一杯のお茶を飲み、心を癒し、考えを整理する場、情報を得る場所の意味もあったとされています。
誰にも本音を言うことのできない孤独なリーダーが亭主に語り、聞き役の亭主は傾聴し共感してコーチングを行っていたともされています。
茶事の中でのやりとりの心構えを学ぶことで相手を受け止め、相手の良さを高めていく女性に成長していくことが期待されます。
茶道の奥深さを探求する中で、お茶会の時にふるまう懐石料理を学ぶことも、女性にとって役に立ちます。
一期一会の相手に心を込めた料理は、旬の物を器も吟味してお出しします。
いただく側も、ご飯粒を残さないように、少しお湯を入れ、最後は懐紙でふき取るなど、作法が環境に優しい意味をもっていて、学びが日常生活につながります。