小説原作で実写化が成功した映画3選


小説から映画化された作品について、あらすじと共に紹介します。

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実写化に成功したと言える作品

1.ノルウェイの森

常にノーベル文学賞候補を目される日本人小説家・村上春樹を世に知らしめた有名作品が、「ノルウェイの森」です。

実写化はトラン・アン・ユン監督によって、実力派俳優・松山ケンイチ、菊地凛子、水原希子らを起用して行われました。

主人公ワタナベ、ヒロイン直子、そして二人の共通の友人で直子の恋人キズキは、神戸で高校生活を送っていました。
ワタナベとビリヤードして過ごしたある日の夜、突然キズキは自殺してしまいます。
高校卒業後、逃げ出すようにして上京したワタナベは、70年代安保闘争の渦中で大学生活を送ります。
そんなある日、直子と再会し、二人は頻繁に暗黙の時間を過ごすようになります。
直子の20歳の日、ワタナベと直子は二人で誕生日を祝います。
精神的に不安定な直子は、泣き出し、ワタナベは直子を愛撫します。
その後直子は精神を崩し、ワタナベの前から消えます。療養所にいる直子の元へワタナベは訪問を許されるようになります。
そんな中、ワタナベは大学で緑という女性に出会い、惹かれていきます。

ワタナベ、直子、緑だけでなく、先輩の永沢や永沢の恋人ハツミといった、影をもった若者たちの姿が原作に忠実によく描かれています。

みなポーカーフェイスでなんとかプライドを保とうとしながらも、内面は傷つきやすく、またワタナベのように誰かを傷つけることを執拗に恐れたり、永沢のように恋人を傷つけずにはいられない、バランスを欠いた部分を持っています。

2時間という枠を持つ映画では、小説のなかの人間模様だけでなく、雨や新緑、雪といった効果で季節の移り変わりを美しく表現しています。

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2.サイドカーに犬

「雪に願うこと」の根岸吉太郎監督によって、竹内結子の演じる「ヨーコさん」が丁寧かつ魅力的に描かれている作品です。

この映画は80年代日本を舞台に、出て行った母の代わりにご飯を作ってくれた女性のことを大人になった薫が、回顧する形で描かれます。

ヨーコさんと呼ばれるその女性は、スポーツタイプのかっこいい自転車に乗っていて豪快な性格、カレー皿に麦チョコを持ったり、禁止されていたコーラを買ってくれたりする存在です。

母親とは何から何まで違う女性・・・多感な年ごろの少女も、彼女になついていきます。

客観的に見れば父親の愛人であるその女性と、不思議な交流をする子供たちという、深刻さ、じめじめさは、軽快なユーモアで吹き飛ばします。

子供たちを対等に扱い、「薫と友だちになれてよかった」と言うヨーコさんの豪快さは、「母親」として子供たちに向き合うときに揺らぎます。

巷に平凡に生きる人々の、そんな揺らぎを描き切るこの映画は、長嶋有の小説にやはり忠実に、繊細かつあっけらかんと表現されています。

大人が決めた決まり事や、人間模様にただひたすら翻弄されるしかない子供たちを、作者は乱暴かつあっけらかんと、「ペット」の犬として比喩します。

そして、しっかりと「飼育」しないでコロコロと育児放棄する「飼い主」である両親やヨーコさんに対する、子供たちの怒りとやるせなさが、そのような比喩の中に皮肉っぽくこめられているかのようです。

原作者・長嶋有の作品は、子供の視点から見た、よくも悪くも大人の影響力の強さを、小説ばりにせつない書き方でとらえます。

愛人といったときのドロドロが払拭されているのも、子供の視点ならではでしょう。

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3.あん

ドリアン助川原作の「あん」の実写化は、ひたすら凄みがあるとしか言いようがありません。

実写化された「あん」は、カンヌ国際映画祭の≪ある視点部門≫でオープニング上映が行われました。

ある日、桜吹雪舞う日にどら焼きを焼く小さな軒先から映画は始まります。
うんざりしたように女子中学生の相手をしている男・千太郎は、人生半ばにして借金まみれになっていることが作品の後半にわかります。
そこへ現れた、樹木希林の演じる老婆・徳江は、自らスタッフ募集の枠へ名乗りあげます。
常連客のワカナは貧しい母子家庭に育ち、いつも友だちのいない頃をぬって、どら焼きの皮のやき損ないをもらいにきます。

地味な3人が織りなす貧しいような人間模様が、生きることの苦しさを描き出します。

徳江の作るあんこの入ったどら焼きは好評を博し、一時はどら焼き店が繁盛します。
しかし、彼女がハンセン病患者であることが噂となると、客足は途絶えてしまいます。
ハンセン病患者に対する差別と偏見に千太郎は驚き、また、それらと戦ってなお穏やかであれる徳江に驚きます。
千太郎とワカナは、こわごわながら、ハンセン病元4患者の施設を訪れます。

この施設は実際にモデルがあり、「天生園」として登場します。

穏やかに、手仕事をして共生している元患者たちの姿を見て、千太郎は雇われ店長を辞めることを決意します。
そして桜舞い散るある公園で、どら焼きを手売りする千太郎の姿と、「一つ100円です。いかがですか」という声が響き渡るところで映画は幕を閉じます。

ドリアン助川の小説には「食べる」ことをテーマにしたものが多く、そこに生きるということの根底を問うています。

あん DVD スタンダード・エディション

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