いま振り返りたい家庭用ゲーム機の歴史:PCエンジン

PCエンジン
1980年代は日本国内で家庭用ゲーム機が熾烈な競争を展開していた時代ですが、最大シェアである任天堂のファミリーコンピュータに対抗するために、日本電気ホームエレクトロニクスが1987年に発表したゲーム機がPCエンジンです。

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PCエンジンの歴史を振り返る

PCエンジンは未来的な機体デザインで、当時の家庭用ハードとしては桁違いのグラフィック能力、そしてサウンドクオリティを誇っていました。

最初にコアなマニア層が手を出し、その後、徐々に一般層にも浸透していくことになるのです。

最初にPCエンジンを目にして誰もが驚いたのは、まずそのリアルなグラフィックで、当時の家庭用ゲーム機ではダントツ、ファミリーコンピュータとはまったく別次元のものとなっていました。

定価は24800円と少し高価で、その後のライバル企業のマシン開発も激しい時代でしたから、結論的にはすべてのゲーム機を差し置いてトップシェアを奪うところまではいきませんでした。

しかし、コンシューマ初参入のNECグループとしてかなり健闘した方で、任天堂が次世代ゲーム機として新たに発表することになったスーパーファミコンや、セガのメガドライブと競合し、多くの名作をリリースしていくことになるのです。

特にアクションゲームやシューティングゲームでは、アーケードマシンにも匹敵するかのような高品質なタイトルを多数発表し、実際に移植作品も高い再現性でマニアをうならせていたのです。

PCエンジンのユニークな点としては、販売元の日本電気ホームエレクトロニクスはNECグループということもあって、家庭用ゲーム機にコア構想を導入したところです。

これはPCエンジン本体を中心に、様々な周辺機器を結び付けてゲームの可能性を拡げることを狙いとしたもので、ゲーム機をパソコン本体に見立てて意欲的にオプション機器をリリースしていくことになるのです。

日本ではすでに任天堂のファミリーコンピュータが多くの周辺機器を製造・販売していましたが、なかなかユニークなところがあったとはいえ、実験的な存在以上のものを開発するには至っていませんでした。

ディスクドライブを搭載したディスクシステムはある程度商業的にも成功していましたが、ファミリーコンピュータと比較してゲーム性が違ってくるほどのインパクトはありませんでした。

その点、PCエンジンの場合では、しっかりとエンターテイメント性をサポートするようなものをリリースし、これまでにないクリエイティヴィティを提案していくことになるのです。

マルチタップでは最大で5人まで同時プレイが可能となり、それまでは2人同時が限界だったゲームの世界を各段に向上させ、白熱する対戦プレイ等を可能としました。

特にユニークなのは、日本初どころか世界初の光学ドライブを付け加えることに成功したところです。

当時のパソコン用ドライブで数十万円はするといったかなり高額なアイテムを、家庭用ハードとして発売することになるのです。

その後、CDドライブを搭載したゲーム機は数多く発表されていくことになり、パイオニアとして高く評価されることになります。

ゲーム性も、それまでのコンピューターグラフィックとは違うアニメのようなクオリティーを誇っていたり、合成音ではない本当の楽器音や人間の声を再現できることもあって、やはりそういった特性を最大限利用した個性的なゲームタイトルをその後数多くリリースしていくことになります。

今では当たり前となった機能ですが、やはりそれまでにない可能性や価値観を創造するというのは、日本の場合他業種ではかなり稀です。

また、それを商業的に成功させるとなると、ゲーム機以外ではほとんど見つからないのが日本のこの業界の層の厚さを再確認させられます。

PCエンジンは息の長いハードであったことでも知られています。

販売されたのは1987年ですが、ソフト開発が終了するのは1999年と12年間続いていたことになります。

これは本体の性能はもちろん、やはりCDドライブを実用化してファンを獲得することに成功した点が大きく、時代に乗り遅れることなく、新しい価値観を提示し続けることができたのが理由でしょう。

また、ハドソンが良質なアクションゲームやシューティングゲームを量産していたこともあり、それらをメディアを介して大会を開いていったりしたところも忘れるわけにはいかず、やはりそういったアプローチはその後の多くの企業がモデルケースとして採用していくことになるのです。

非常にユニーク、そして意欲的な販売戦略は、とても家庭用ゲーム機初参入の企業のそれとは思えないですし、ある程度機能を制限することで価格を抑えてライトユーザーにも販路を拡げようとしたきめ細かな配慮がありました。

今現在、家庭用ゲーム機産業から撤退してしまったところがとても残念な企業でもあるのです。

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