何度でも読み返したくなる!読むと前向きになれるおすすめの小説3選

人生落ち込むことも、苦労することもあります。そんなときはお酒を飲んだり、テレビを見たり、眠ったりなど、さまざまな方法で前向きになろうとします。

そんな手段に、小説を取り入れてみませんか。前向きになれる小説を、おすすめします。

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学生時代の自分にも「侠飯」

「侠飯」で「おとこめし」と読みます。原作者は知る人ぞ知るという作家、福澤徹三。ホラー兼犯罪小説などを手掛けるマルチな作家さんです。

主人公の大学生、若水は就職活動をしても全く内定が出ないダメ大学生。しかし彼のアパートに、見るからにそのスジの人間としか思えない顔をした、柳刃が住み着いてしまいました。

どうやら某ヤクザの自宅を見張っている様子なのですが、若水は怖くて不満すらも言えません。そんな柳刃が作ってくれる料理が、これまた逸品なのが驚きです。

次第に、若水は柳刃と会話をするようになるのですが、あわや就職浪人になるまで追い詰められている大学生、若水はやる気がなく不満だけは一丁前です。

しかし柳刃の言葉と料理に、次第に心を開きはじめます。柳刃の正体は。そして、全く材料がないのに出来上がってくる、シンプルかつおいしい「侠飯」のレシピとは。

作者は、実は職を転々とした経験があり、専門学校教師なども勤めたこともあります。その豊富な社会経験の知恵が、世の中を生き延びる知恵と前向きさを与えてくれます。

2016年に、この小説は実は深夜帯でドラマ化され、人気を博しました。読みやすさも、ばっちりでおすすめです。

侠飯 (文春文庫)

不遇の時代を生き延びる「粘膜黙示録」

2008年、カドカワ主催のホラー大賞で、とんでもない作品をひっさげて、とんでもない作家がデビューしました。「粘膜シリーズ」の作者、飴村行です。

審査員の作家さんに「危険なところまで来ている気がする」と言わしめたその実力を、この小説、「粘膜黙示録」でお楽しみください。

本作はホラーではなく、飴村行自身の半世紀をつづったものです。作家になるまでは、漫画家を目指していたという作者の、情けなさと欲望と、くやしさとセンチメンタルが同居した小説となっています。

語り口が軽快かつ面白いので、ついつい読んでしまう中毒性があります。そして読み終わったときには「がんばろう」と、不思議と前向きになれる小説です。

何故なら、自分と同じようにひたすら頑張っている人間が、そこにいることがよくわかるからです。ラストには、この自伝を書くに至った経緯も書かれています。

飴村行は、非常に読み手を選ぶ作家ですが、この小説は前向きになれる、おすすめの一冊です。

そして、ところどころに書かれてている注釈もぜひご覧ください。作者ならではの、ひねくれた文言解釈が書かれています。

粘膜黙示録 (文春文庫)

「大藪春彦賞」作家の本気「ダイナー」

主人公オオバカナコは、ある事件に巻き込まれ命からがら怪しい店に雇われることに。しかしそこは、「人殺し専門会員制」のレストランでした。

平山夢明の、本格的エンターテイメント小説です。この作品で、大藪春彦賞を受賞。ついに大作家への道を歩み始めました。

実は平山夢明、関東ローカルテレビ「5時に夢中」では「ハムスターおじさん」として出演している、大変明るく陽気な、ホラー作家です。本作はホラーではなく、あくまでクライム色強めの小説となっています。

さて、とんでもない「会員制」レストランのウェイトレスとなったカナコですが、カナコを雇ったボンベロや、爆破屋スキン、美しい殺し屋・炎眉たちと関わりながら、次第に生きる強さを学んでいきます。

自らも、体と心に傷を負いながらも、レストランを守ろうとするカナコ。そして、災いがやってきます。はたしてカナコは、ボンベロの店を守ることが、そして自分の命を守ることができるのでしょうか?

人生には綺麗事ばかりではなく、苦々しいことも、振り向きたくないこともありますが、それすら乗り越え歩み続けるということが人はできるはずです。

そんな、前向きな気持ちにさせてくれる小説です。

ダイナー (ポプラ文庫)

豹柄の女性岡山作家「歌舞伎町怪談」

テレビ番組で、何故か全身豹柄のタイツを装着し、自らの顔にも豹のペイントを施す女性作家がいます。岩井志麻子です。現在も現役で活躍中の、ホラー兼恋愛小説家です。

「ぼっけえ、きょうてえ」でデビューした際には、「岡山ホラー」という単語を全国にまで広めました。そんな彼女は、現在も歌舞伎町に在住。

日々、歌舞伎町と彼女の身辺に起こる事件や、トラブルなどをまとめた一冊となっています。過去には離婚経験もある岩井志麻子ですが、明らかに現在は輝いて仕事をしています。

文章で表現するという仕事を手放すことができなかった、悲しい作家のサガと色恋をこよなく愛する岩井志麻子の、鋭いエッセイ小説となっています。

彼女の生きざまは、非常に激しく、ときには自らが不幸に直接飛び込むような危うさがあります。しかしそれすら飲み込んで、彼女は物語を紡ぐのです。なんて強さでしょう。

これが、前向き。これが、作家、ということを知らしめる一冊となっています。

ちなみに彼女はホリプロ所属、現在「5時に夢中」の木曜レギュラーコメンテーターを務めています。一度でもご覧になったことがある方は、ぜひどうぞ。

歌舞伎町怪談 (光文社文庫)

最後に

前向きになろう、と思っても自分だけではどうしようもないことがあります。そういうときは、着眼点や発想など根本的な部分から変化しなければなりません。

小説は、その思考の転換をしやすくしてくれます。

ときに、自分の考えも及ばない元気さが出てくるかもしれません。

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