心霊番組は今やお馴染みで、夏の風物詩のようにもなっています。
存在するはずがないところに人が写っている写真や異様な姿をした人が映された動画、恐怖スポットと呼ばれるところで記録された謎の声など、心霊番組ではこうした恐怖映像を楽しむことができます。
怖くて苦手な人が多い心霊番組
心霊番組は恐怖をテーマにしていますので、視聴者としても怖いものであり、時にはその恐怖がトラウマになってしまうこともあります。
特に小さい子供の場合ですと泣き出してしまうことがありますし、一人でトイレやお風呂に行けなくなってしまうようなケースもあるのです。
また、大人の場合でもそういった怖さは感じるものですので、苦手という人は少なくありません。
恐怖を感じてしまうと日常にも支障が出てしまうものですので、後で困ってしまうという時には無理に見るようなことはしない方が良いと言えます。
ところが心霊番組を見ると怖くなってしまうことを分かっているにも関わらず、つい見てしまうという人も多いのです。
ですから見たくないからとテレビのチャンネルをかえてみたものの、またチャンネルを戻して見てしまう、そして怖いからとまた替えてしまうという繰り返しをやってしまう人も沢山います。
心霊番組では分かりやすく恐怖映像が流れますので、怖い場合は見なければ良いだけのことでもあるのですが、しかしそれでも見てしまうのにはある心理状態が関係しています。
そのため後で見なければ良かったと思いつつも、つい見てしまうのは人間らしい行動とも言えるのです。
好奇心が勝ってしまうために見てしまう
怖いと知りつつも見てしまう心理としては、好奇心があるからと言えます。
好奇心は言わば探求をしたい気持ちであり、人間にとって大切な感情です。
知らないことを知ることで人間は成長して進化をしていますので、人間としてあるためにも欠かすことができません。
そして好奇心というのは誰にでも備わっているものですので、未知に対して向かっていきたい心理状態になってしまうのは自然です。
たとえその対象が恐怖だったとしても、「怖いもの見たさ」という好奇心が勝ってしまいますので、怖いながらも気持ちに負けてしまうのです。
なお心理学的に言えば、こうした現象は『カリギュラ効果』に該当します。
これは禁止されていることに対して、余計にやりたい気持ちが大きくなってしまうというものです。
心霊番組を例に挙げてみると、気持ちの中では怖くなるのが分かっているために、自分自身で見てはいけないと抑制しています。
ところが禁止されてしまうと余計に気になってしまうのが人間であり、それゆえに好奇心も芽生えてつい見てしまうのです。
カリギュラ効果としてはその他にも、テレビ番組の中で映像がモザイクで隠されたり、音声が意図的に加工されるなどした際に知りたくなるといった例も該当します。
ですから人間の心理を突いた技術とも言えますし、心霊番組に関してはありのままでカリギュラ効果を狙える、制作側からすれば都合の良いコンテンツと言えるでしょう。
ただ、カリギュラ効果があっても、本当に見たくないと考える人は見ることをしません。
人間には理性がありますので、好奇心よりも見ない方が良いという理性が勝り、気になっても抑制ができる人もいるのです。
恐怖による刺激が快楽に変化する
恐怖感というのは、人間にとって刺激になるひとつの要素でもあります。
日常で刺激を感じていないと心のどこかで飢えを感じてしまうこともありますから、心霊番組は手っ取り早く刺激を味わえる存在と言えるでしょう。
しかし恐怖感が単なる刺激になっているだけでなく、快楽にも変化してしまうためについ見てしまうこともあるのです。
例えばジェットコースターや幽霊屋敷などは恐怖を感じられるレジャーとして人気がありますが、最初は恐怖感で満たされているにも関わらず、終える頃には気持ちもスッキリして尚且つ快楽にも感じられてしまうことがあるものです。
そのため恐怖を味わうために繰り返し楽しむ人もいますが、それは恐怖が快楽になってしまっているからです。
こうした心理状態の変化は、いわゆる『吊り橋効果』に分類されます。
吊り橋効果とは、吊り橋のような不安定で恐怖感があるところで一緒になった男女は恋愛感情を持ちやすいというものです。
これは吊り橋による恐怖感と恋愛によるドキドキ感が似ているからであり、要は恐怖によるドキドキを恋愛によるドキドキと勘違いをして恋に発展しやすくなると言われています。
心霊番組も吊り橋効果と似たようなものであり、恐怖のドキドキと快楽のドキドキが近いゆえに、もっと見たくなってしまう心理状態になってしまうのです。
ですからつい見てしまうのは快楽を感じたいという欲求によるものであり、口では怖いと言いつつも気持ちの中では快楽によって満たされているところもあります。
このことから心霊番組はただの恐怖を与えるだけの存在ではなく、実は見る人に快楽まで味わわせてくれていると言えるでしょう。
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