日本では昔から特撮作品が人気となっており、映画やテレビドラマにおいて様々な作品が作られてきています。
その中には怪獣をメインにした作品が数多く存在しています。
怪獣作品の魅力
怪獣の造形の工夫や特撮技術のすごさを見る
大きな見どころと言えるのが、怪獣の造形のすばらしさや特撮技術のすごさです。
海外の特撮では、怪獣は主にサイズの小さい人形として制作され、それらを少しずつ動かしながらコマ撮りで撮影を行い、それらの連続でまるで動いているかのようなシーンを仕上げます。
この方式には、怪獣のデザインに制限が小さいというメリットがあります。
例えば細長い体をしたものや、手足や頭がたくさんあって、それらが自由に動くものといったように、色々なタイプの怪獣を登場させることが可能です。
それに対して日本の特撮では、怪獣は着ぐるみで作成され、人間が中に入って演技をする姿をそのまま撮影します。
この方式には、人形のコマ撮りとは違って、重々しさやダイナミックさが出るのですが、その形には中に人間が入らなければならないという制約があります。
しかし上手く工夫をすることで、人形ほどの自由さはないものの、色々なタイプの怪獣を登場させることは不可能ではありません。
そのように工夫を凝らした造形は、ある種の芸術と言っても過言ではないでしょう。
日本の特撮技術は、そういった着ぐるみを使うという方式に合わせて、精巧なミニチュアを作成したり、人間や現実の背景と上手く合成するといった技術が進化していきました。
一昔前の作品でも、今の我々が見て感嘆するような、素晴らしい特撮技術が見られる作品は少なくありません。
怪獣の個性や作品の独自性を味わう
様々な作品に登場する怪獣の中には、デザインや設定がオーソドックスなものもあれば、よくそんな設定を考えついたと思えるほど、とても個性的なものもあります。
日本を代表する特撮映画のシリーズと言える「ゴジラ」シリーズを例にとると、メインであるゴジラは恐竜がベースなので、オーソドックスな部類だと言えるでしょう。
ゴジラシリーズに登場する怪獣の中でも人気の高い「モスラ」は、芋虫のような幼虫の形態から、繭を作ってその中で成長し、空を飛ぶ蛾のような成虫の形態になるという点で、かなり個性的なものとなっています。
また敵役として高い人気を誇る「キングギドラ」は、長い首が三つあってそれぞれが別の動きをするといった点で、着ぐるみの怪獣としてはかなり個性的な存在です。
ゴジラと並ぶほどの有名なシリーズである「ガメラ」シリーズで言うと、メインのガメラは亀をモチーフとしているのですが、頭と手足を引っ込めるだけではなく、引っ込めたところの穴から火炎を放射しながら空を飛ぶという、なかなか個性の強い存在となっています。
登場する怪獣の個性も見どころではありますが、作品そのものに独自性が強く表れていて、そこが味わいとなっているものも少なくありません。
例えば、日活で唯一の特撮映画となった「大巨獣ガッパ」では、かなりテンションの高いオープニングテーマの歌が独特の雰囲気を作り上げていますし、ガッパ親子の愛情がテーマになっているという点でも独自性を感じることができます。
独自性の強さで言うと、ヒーローものの特撮映画を数多く作っている東映では珍しい、怪獣をメインとした映画の「怪竜大決戦」も忘れられない存在です。
時代劇を得意とする東映らしく、忍者が登場する昔の日本が舞台となっており、現代劇が多い怪獣映画としてはかなり珍しいと言えます。
怪獣の設定やストーリーにより時代背景が分かる
かつては怪獣が登場する映画やドラマと言えば、どうしても子どもが見るものだというイメージが付きものでした。
しかし制作者たちの中には、決して子供だましではない、大人が見ても満足できるようなものを作りたいという意欲を持つ人も少なくなかったのです。
そういった制作者たちは、例えばその時代で話題となっている社会問題を怪獣の設定やストーリーに盛り込むことにより、大人の鑑賞にも耐えられるように工夫を凝らしていました。
そういった部分に着目すると、制作された時代がどのようであったかが分かるという点も、一つの見どころだと言えます。
ここでも「ゴジラ」シリーズを例にすると、第一作目はまだ戦後の爪跡が残っていたおり、また核実験に対する反感が高まっていた時代に製作されており、そういった時代背景が色濃く投影されています。
ゴジラという存在自体が、核実験によって目覚め、口からは放射能を含んだ火炎を吐くという設定で、核の恐怖のメタファーだととらえることが可能です。
またゴジラを葬ることができるただ一つの兵器を開発した科学者も、その兵器が戦争に利用されることを恐れているといったように、反戦的な意識がストーリーの中に感じられます。
ゴジラシリーズ最大の異色作と言われる「ゴジラ対ヘドラ」は、公害が社会問題となっていた時期に製作されたために、公害の恐ろしさを盛り込んでいます。
ヘドラは宇宙から飛来した生物が公害物質と融合して巨大化したという設定で、ただ通るだけでも汚染物質をばらまき、人々を死に追いやるという大変危険な存在として描かれたのです。
そういった時代性の感じられるテーマを持った作品を見ることにより、その内容を楽しむと同時に、自分が体験したことのない時代の空気感が味わえるということは、とても有意義だと言えるでしょう。
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